第三章 「アイドル」の心理的戦略③

 

 

こんにちは、どうも。

 

あっという間に2019年になり、2発目の更新です。

 

少しずつ載せてきた記事もいよいよ終盤戦です。

 

なんせ更新ペースがゆっくりすぎるので、もしその都度読んでくれてる方がいれば、もう最初の方を忘れ去られていそうですが。

 

それでも、誰かの目に触れていたら、誰かが面白いと思ってくれていたらいいな〜なんつって。

 

というわけで、ご無沙汰しておりましたが引き続き更新しまっす(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑

 

 

 

 

第三節 なぜ「アイドル」の「ファン」同士のコミュニティーが生まれるのか

 

「アイドル」の「ファン」たちは、しばしばコンサートや握手会などの会場で同じ「アイドル」を応援する「ファン」同士で集まり、交流をしますよね。これは双子自己対象という効果によるものであると言えます。

 

双子自己対象とは、自分自身の分身のように感じられたり、自分自身にとてもよく似た存在として感じられたりする対象を指します。

 

自分とよく似た誰かを見つけたとき、私たちは自己愛が満たされるのです。

 

たとえば、仲良しの子供がお揃いの服をねだったり、境遇や趣味の似ている人同士がお互いを理解しやすいと感じたりしますよね。

 

海外旅行中に日本人と知り合って妙に意気投合してしまう。東京に出てきた地方出身者が同郷の人たちとつるむ。このような経験は、すべて双子自己対象によるものなのです。

 

同じ「アイドル」を応援している仲間として「ファン」同士が、自分自身の分身のように相手のことを捉え、親睦を深めることもこの効果によるものなのです。

 

また、双子自己対象は共通点の多い人物と一体感を提供してくれる対象も含まれるので、似た者同士の「ファン」を繋げて会わせてくれる「アイドル」という存在も双子自己対象にあたると言えます。

 

 また第二章でも触れたように、私たちはなんらかの共同体に縛られ、所属したいという欲望を持っており、そのために〈物語〉を求めると述べました。

 

その〈物語〉性を持った商品として「アイドル」に人々は惹かれ、「アイドル」を消費する「ファン」になるのです。

 

それと同時に、「ファン」になるということが「アイドル」のファンクラブに入り、リリースされたCDは欠かさず買い、コンサートや握手会に通う、といったようなある程度の行動の規範を決定してくれ、「○○(アイドル)のファン」という共同体に所属することに繋がります。

 

すなわち、「ファン」は「アイドル」が好きという感情以上に、「ファン」同士の繋がりや、「ファン」でいることで所属することのできる共同体に縛られることを求めているのです。

 

「アイドル」に対する情熱が冷めたとしても、「ファン」をやめられないということが「アイドル」の「ファン」の中でしばしば起こるのは、このように「アイドル」が私たち「ファン」の共同体を作るツールになってしまっている部分があるからなのです。

 

「アイドル」の「ファン」同士のコミュニケーションは、「ファン」の自己愛を充たしたり、アイデンティティの確立に大きく影響したりしています。