第二章 「アイドル」の営業戦略③

 

 

おはようございま〜す!!!

 

みなさん起きてますか?(やかましい)

 

またまた少し期間があいてしまいましたが、続きを載せていきたいと思います。

 

しかし、最近暑いですねぇ。もう夏ですねぇ。

 

そんなことは良いんだ。早速本編にいきまっしょい(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑

 

 

 

第三節 物語マーケティングと「アイドル」

 

さてさて、第一節、第二節では、〈物語〉を利用した消費についての説明をしてきました!

 

ここでは、「アイドル」による物語マーケティングについてさらに詳しく追及して行こうと思います。

 

先ほど(第二節です)、商品間の明確な序列が性能差のみで判断することがなくなったと言いましたが、一般の商品(例えば携帯電話やカメラなど)であれば、ごく僅かな性能差を見出し、それを判断材料として商品を選択することがまだ可能です。

 

しかし、消費者が「アイドル」を性能差で選ぶことは極めて少ないのではないでしょうか?

 

なぜかというと、CDやコンサートなどの商品を選ぶ基準として、ただ単に歌やダンスのスキル、音楽の質などを求めるのであれば、「アイドル」ではなく、「ミュージシャン」や「ダンサー」を消費の対象として選べば良いから。

 

それでも人々が「アイドル」を応援するということは、「ファン、ヲタク」と呼ばれる消費者たちが「アイドル」が提供する、その〈物語〉に惹かれるかどうかで〈モノ〉を選択し、消費しているということなのだと思います。

 

よって、「アイドル」消費においては「アイドル」自身の人生、成功まで道のりなどの背景が描かれている〈物語〉の要素が非常に重要視されているのです。

 

 

「物語の法則とは、主人公をめぐる「越境」→「危機」→「成長」→「勝利」という流れ」5と山川は自書の中で述べています。

 

「アイドル」の語る〈物語〉として、最も重要な要素はこの物語の法則なのです。

 

つまり、主人公に環境変化が起こり、その―ときには有力なパートナーに出会い―危機を逃れ、困難を克服し成長し、目的を達成し報酬を得る、というストーリー。

 

このストーリーに則って、「アイドル」は物語られていくことになります。1990年代のアイドルを例に挙げると、「モーニング娘。」がまさにこの物語の法則を則った「アイドル」だと言えますね!

 

普通の女の子たちがオーディション企画「シャ乱Qロックボーカリストオーディション」に応募し、これに落選する。(「越境」、「危機」)

そしてデビューのための条件として5日間以内で5万枚のCD売り切りを目標に活動をし、その内容がTV番組化され放送された。(「成長」)

その努力の甲斐が実を結び、見事にデビューをする。(「勝利」)

 

そして、モーニング娘。はデビュー時だけではなくメンバーの入れ替えなどにより、事あるごとに物語が付与されていくことになります。こうして、モーニング娘。に関係する商品が継続的に消費者の手に取られることになっていくというシステム。これこそ〈物語〉の価値なのです。

 

 

しかし、「アイドル」の生み出す〈物語〉は必ずしも「アイドル」である彼女ら自身の人生そのものではありません。

 

むしろ、「アイドル」の〈物語〉とは、彼女ら自身の人生ではなく「アイドル」を売り出すプロデューサーによって意図的に作り出された、彼女らが演じている「アイドル」というもう一人の少女の〈物語〉なのです。

 

すなわち、「アイドル」という〈物語〉を持った商品は、プロデューサーによって生み出された〈虚像〉であり、決して彼女ら自身の〈実像〉が反映されているものではないということです。

 

そのことを消費者である「ファン、ヲタク」は十分に理解しているはずなのに、それでも、〈虚像〉である「アイドル」を演じているのは、彼女ら自身であり生身の人間であり、テレビから、コンサートから、握手会から得る情報を組み合わせながら、「アイドル」という〈虚像〉から見え隠れしている彼女ら自身の〈実像〉にたどり着こうとするからなのではないでしょうか?

 

彼女らの演じる「アイドル」の真実を、消費者は求めているのです。

 

 

第三章に続く......✩.*˚